ストレスチェック制度の弱み「受験するのは従業員の任意」

50人以上の会社にいる「可哀想なポジション」の担当者

先日、定期的に事業の相談に乗っている会社へ行ったときの話。担当者がいつものように「いやぁ、困りましたよ」と相談を持ちかけてきた。その担当者には直属の上司がいて、その上司からも指示を受けているが、一方で役員との定例もやっていて、役員からも指示がくるという状況におり、そのねじれた状況からタスクがいつも二転三転してしまう可哀想なポジションの人なのだ。
 
こういった業務上のストレスに加え、プライベートでも悩みを抱えていたその担当者は、一時期かなり心身ともに疲弊して、ちょっとメンタル的にヤバいかな?と感じるような時もあった。当初は事業の相談やアドバイスがメインであった毎週の定例MTGであるが、最近ではもっぱらその担当者のメンタリングとケアが中心となっている。その効果なのか、一時期に比べればその担当者のメンタルは安定してきてるように思える。

 

会社で「ストレスチェック」のアナウンスがあったらしい

さて、そんな担当者さんとの定例MTGが先日もあったわけだが、いつものように役員と上司の狭間で先週までのタスクが変更になり、困っていた。ここ何回かのMTG時よりも明らかにメンタル的に落ち込んでいたのでケアしたのだが、そういえばと思い「ストレスチェックを受けるように会社から連絡ありませんでしたか?」と聞いてみた。担当者は「あぁ、ありましたね。でもスルーしちゃいました。忙しくて。」と。
 
少し詳しく聞いてみたところ、
1.会社からストレスチェック実施のアナウンスが全社メールであった
2.ちょっと本文を読んでみたけど、よくわからなかったし、忙しいのでスルーした
3.ちなみにチェック方法は外部サイトでのアンケート形式のチェックのようだった
とのこと。いわゆる「職業性ストレス簡易調査票」であろう。

 

チェックのアナウンスは「義務」だが受験は「任意」という制度の弱点

ストレスチェック制度の弱みでもある「チェックを受験するのは従業員の任意」というとこが如実にあらわれた感じの事例だなぁと思いました。その担当者はメンタル的にはかなり不安定な状態が長く続いているような印象を僕自身は持っていますし、ストレスチェックを受けた方が良さそうな部類の従業員かなと思います。しかし、彼はチェックを受けなかった。本来受けた方が良い人がチェックを受けず、受けなくてもよい人が受けて、その中からマッチポンプ的に「ストレス者」を作り出してしまう。やはりこの制度は一筋縄ではワークしないなと改めて思った次第です。
 
とは言え、その担当者はチェックを受けたらおそらく「ストレス有り」と診断されると思いますが、チェックを受けないことによってストレスを自覚させずにケアしていくことができます。現代社会においては多かれ少なかれ誰もがストレスを抱えていますし、その中でストレスと上手く共存し、なるべくストレスが無いような環境を作ったり、ストレスを自覚させずに改善していくのが重要だと思っています。難しい問題です。
 


[記事公開日]2017/02/09